平成21年10月15日(木)、あきたエコマイスター県央協議会(由利班)の主催で、「地域の自然エネルギー施設見学会」が行われました。これは、由利地域にある自然エネルギー関連施設等を見学し、エネルギー問題について考える契機にしてもらおうと企画されたものです。
最初の見学場所は、由利本荘市の株式会社「鳥海リース」でした。こちらでは使用済み廃油を集めて軽油代替燃料(BDF)を作っています。BDFは石油製品のガソリンと違い、燃焼によるCO2排出が、カーボンニュートラルにより大気中のCO2総量に影響しないとされています。
この施設では地域の80ヶ所ほどから月に6,000〜7,000Lの使用済み廃油を集めているそうです。また、施設の燃料製造機械では、100L製造するのに5時間かかるそうで、できたBDFは自社のトラックに使用しています。トラック一台で一日100L消費するそうです。説明してくれた鈴木代表取締役によると「紙おしめだって炭化して炭にすることもできる。分別することで、資源として使えないものはない。」とおっしゃっていました。
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| 写真1 BDF精製機械
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写真2 鳥海リース鈴木代表取締の説明 |
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次は環境にやさしい空調システムを利用しているということで、平成13年に完成した西目総合支所を見学しました。建設にあたっては「環境への配慮」に重点を置き、CO2排出量の削減に効果的な空調設備としてエコ・アイス(氷畜熱式空調システム)を導入したそうです。エコ・アイスとは、お得な夜間電力を利用して、氷や温水を蓄熱層に蓄え、昼間の冷暖房に役立てる空調システムです。夏場は、蓄熱槽に0℃状態をつくり、氷の融解熱を利用して冷やします。冬場は、熱湯をつくり、暖房に使用します。
ランニングコストが非常に安く、このシステムで庁舎内の電気をまかない、コストは程度割引になるそうです。そして、西目総合支所の職員の話では、「夜間電力は化石燃料比率が低いので環境に配慮している」とのことでした。ただし、エコマイスターの中からは、「化石燃料の代替として使われている原子力発電に対しての配慮はいかほどか」との疑問の投げかけもあり、議論の密度の濃い視察となりました。
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写真4 西目総合支所
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写真5 室外機と蓄熱槽
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西目ハーブワールドでの昼食を挟んで、午後は西目土地改良区の「小型水力発電施設」を見学しました。この施設は、農業用水の高低差を利用した小水力発電で、化石燃料の抑制とクリーンエネルギーの開発を目的に整備されました。この施設の発電量は、最大出力740kW、年間発生電力量は2,993MWhです。これで1200戸の電力を賄えるそうです。参加者は、案内してくれた担当者に発電施設の仕組みや維持費のことを熱心に質問していました。
その後、風力発電施設「西目ウィンドファーム」の見学でした。海岸部の風を有効に活用しようと秋田県でも新エネルギーとして注目されている風力発電ですが、この西目地区は県内でもトップの発電量を誇ります。ここでは一基あたりの出力が2,000kWの風車が15基設置されていて、総出力は30,000kWです。約18,000世帯が一年間に使う電力がまかなえる計算だそうです。設置された風車は風上に頭を向け、羽の角度も調節可能とのことで、効率的に風を受けられる仕組みです。実際そばでみると、羽の回る音はありますが、青空に映える白い風車がとても美しかったです。
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| 写真9 空に映える風車
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写真10 空に映える風車(2) |
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西目のリンゴ園でリンゴ狩りを楽しんだ後、最後に西目シーガルで意見交換会が行われました。参加者からは、自然エネルギーの必要性や導入のための費用の問題についての意見交換と地域の廃食油回収(BDF精製)について発表がありました。
今回参加した方々の中には、新エネルギーの知識や考えをお持ちの方も大勢参加されていて、今後の地域での取り組みなど、先を見据えた意見も出されました。この機会にさらに地域の方々に新エネルギーについての理解と普及のための協力の輪が広がっていくことを期待します。
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秋田県地球温暖化防止活動推進センター
由利本荘デスク 宮崎真紀 |
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