平成22年3月18日(木)、湯沢市の湯沢ロイヤルホテルで、「地熱のまち“ゆざわ”講演会」が開催されました。現在、石油や石炭などの化石燃料に代わるエネルギーとして、二酸化炭素をほとんど排出しない太陽光や風力、地熱といった再生可能エネルギーの普及拡大が期待されていますが、湯沢市は、地熱開発において全国で最も有望な地域です。そこで、地熱エネルギーへの理解と環境保全意識の向上、地熱の活用による地域の活性化を目的として、湯沢市と湯沢市地熱開発促進協議会の主催で講演会が行われ、約200人の参加者が集まりました【写真1】。
まず、湯沢商工高等学校 生徒商業研究班が、「『地熱のまち・湯沢』プロジェクト 〜地域ブランディングへの挑戦〜」と題して、研究発表を行いました【写真2】。生徒たちは、「湯沢市は日頃から元気がないと感じ、地元の地熱を活用して地域を活性化できないかと考えた。そこで、地熱PRのために、湯沢市の地熱に関わる場所を巡る『まほろばちねつあー』というツアー企画と、湯沢市が生誕の地とされる小野小町をモチーフにした犬のキャラクター『ポチねつ』の製作を行った。今後はオリジナル商品の開発やツアーの実施をしたい。」と発表し、地熱の地域ブランド化に向けて意欲的な姿勢を示していました【写真3】。
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| 写真2 研究発表の様子
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写真3 湯沢商工高校生徒と「ポチねつ」(写真中央) |
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次に、京都大学名誉教授の芦田讓氏が、「持続可能・地方分散型社会構築に向けて−モデル都市“湯沢”−」と題して、講演を行いました【写真4】。芦田氏は、ユーモアあふれるエピソードを交えて講演を行い、時折会場を笑いの渦に包みながらも、科学的データに基づいて多角的に地熱開発の有益性について解説を行いました【写真5】。
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| 写真4 講演会の様子 |
写真5 京都大学名誉教授の芦田讓氏 |
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芦田氏は、「日本の地熱資源量は、アメリカ、インドネシアに次いで、2347万kW(2009年)で世界第3位を誇るが、その約82%が存在する国立公園内の規制や、温泉への影響を懸??念する関係者の反対が、地熱開発の障壁となっている。そのため、この10年間地熱発電所の新設はなく、地熱開発は停滞し続けており、地熱発電出力は約53.5万kW(約2%)にとどまっている。」と、日本における地熱開発の厳しい現状を訴えていました。
しかし、芦田氏は、「日本企業は、地熱発電用タービンについて世界シェアの5割を超えており、日本は地熱資源だけではなく技術にも恵まれている。特に、湯沢市には山葵沢地区や秋ノ宮地区といった地熱発電所新設に向けて有望な地域がある。」と、湯沢市は現在わずか約4%である日本のエネルギー自給率を向上させる可能性を秘めていることも熱く語っていました。
現在湯沢市では、上の岱地熱発電所が稼働しており、発電出力が2.88万kWで湯沢市全世帯(約1.8万世帯)の使用電気量に相当します(参考:東北経済産業局
上の岱地熱発電所)。また、地熱発電は、太陽光や風力の他の再生可能エネルギーの発電と比べると、天候に左右されず安定して継続的に発電できるというメリットがあります。これらのことからも、地球温暖化対策として日本の地熱資源量2347万kWの有効活用が望まれます。
今回の講演会は立ち見が出るほどの盛況となり、湯沢市民の地熱開発に対する関心の高さが伺えました。しかし、地熱発電所の建設には、災害発生の懸念や景観破壊のため地元住民の反対も考えられます。そのため、地元住民に対して地熱開発についての理解を求めることは大切であり、今後県南デスクとして、この有望な地熱資源について普及啓発することの重要性を再確認しました。
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秋田県地球温暖化防止活動推進センター
県南デスク 栗林弘昌 |
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