| 平成23年7月16日(土)〜7月17日(日)に大館樹海ドームで大館市と大館市文教振興事業団が主催する「大館市エコフェア&マンモスフリーマーケット5」が開催されました。利用されずに眠っている物品などが必要とされる人に渡る機会を作ることで、循環型社会の形成を目指すことと、大館・北秋田のエコ・リサイクル事業を行う企業や団体の活動や製品の紹介を目的に始まったこのイベントには、今年も多くの市民が訪れました。
屋内としては県内でも最大級の12,000uを超える広大なスペースを利用して行われたマンモスフリーマーケットには県内外から160店を超える参加がありました。インテリアや食器・衣類といった家庭用品から、おもちゃや骨董まで多数の物品が並び、交渉次第で簡単に売値も変わるとあって、参加者が値引きのやり取りも楽しみながら品定めをする姿があちこちで見られました。
買い物以外にも、『ご当地グルメフェスタコーナー』で、県北産の桃豚を材料にしたハンバーガーや横手焼きそばをはじめとした県内各地のB級グルメに舌鼓を打つカップルや、外周に設けられた大型遊具広場『子どもワンダーランド』で遊ぶ親子など、参加者は広いドーム内で終日イベントを楽しんでいたようです。
市内から来た家族連れは「思わぬ掘り出し物が格安で買えたりするし、商品が捨てられずにまた使われることはゴミの減量化にもなると思う」と話し、楽しみながらもエコに協力しているという意識の高さもうかがえました。
また「エコでつながろう東北」と題した今回は、東日本大震災の被災状況を伝えるパネル展示コーナーも設けられ、岩手・宮城・福島の特産物の物販や、中学生による募金活動なども行われていました。また物品の売上の一部は義援金になるなど、イベント全体での支援意識の高さも印象的でした。
大館市エコフェアのコーナーでは、大館市や北秋田市の環境関連企業や団体が出展し、活動のPRや製品の紹介・販売を行っていました。
北秋田市の縫製メーカーで運営されている『WATOGA協同組合』は、埋蔵量が日本最大ともいわれながら活用が限定されてきた、同市特産の珪藻土を焼き固めて粒状にしたものを生地に入れて加工した珪涼玉(ひんやりだま)というクールタオルを試作販売していました。
多孔質の珪藻土は、吸水性と速乾性が高く、首にスカーフのように巻くことで体温を緩やかに奪い涼しさを体感できます。また、水に浸すだけで何度も繰り返し使える節電お助けアイテムとあって、訪れた人の注目を集めていました。
自社の縫製技術と地元産の資源をエコに結びつけた発想は、他の県内企業にも参考になるのではないでしょうか。
『農事組合法人立花ファーム』では、同ファームの中島貞雄さんが、杉の角材を枕に寝てみると決して痛くもなく香りがいいということに気づいたことから今夏製品化したという、エコまくらを販売していました。杉の細材を人の頭の形状に組み合わせてあり、頭の高さに合わせてサイズを選べるようになっています。
用意された簡易ベッドで体験してみましたが、杉材の作る空間が夏でも涼しく感じられ、ほのかに杉の香りも漂う、なかなか魅力的な枕だと思いました。
地元の間伐材を利用しながら、暑い夏の夜のエアコン消費も抑えられる一石二鳥のアイデアだと思います。
同ファームは複数の農家が共同で耕作を行うことで、将来休耕地にならないように管理できる農事組合法人を設立したものです。こうした将来へ向けての共同経営型農業というスタイルから新しい製品が生まれたことにも農業の新しい可能性を感じさせられました。
今年で5回目を数えるこのイベントの一番の驚きは、2日間の来場者数が約23,000人(主催者発表)を超えたことと、人の流れが途切れないということです。
一方的に提供するだけでなく、一般市民も参加して楽しめるという参加型イベントとして成功している県内でも珍しいケースではないかと思います。
大館市樹海ドームは決して交通の便がいい場所ではありませんが、夏場に冷房を入れなくても暑さを感じさせにくい広大な日陰と、屋内でありながらそれを忘れさせてしまうほどの高さからくる精神的な安心感もあるのかもしれません。
大館市が今年度作成した、向こう10年を見据えた環境基本計画の中の課題で、廃棄物への対応として掲げている3R・・・リユース(再利用)・リデュース(ゴミの発生の抑止)・リサイクル(再資源化)のうち、今まではリサイクルだけが市の活動の前面に出ていたわけですが、このイベントの主役は明らかにリユースだったと思います。
それはフリーマーケットなどによる物品的な意味でのリユースというだけではありません。
紹介したWATOGA協同組合や立花ファームのように、地元で効率よく利用できていない資源(間伐材や珪藻土)を得意分野と組み合わせながら、産業そのものを再生する活路を見出そうとしている団体が出てきたことを知ったのも嬉しい発見でした。
さらに一歩進めて、ゴミの発生そのものを抑制(リデュース)できるような住民の意識の改革を次回のテーマにと期待してしまうのはちょっと高望みでしょうか。
| |
秋田県地球温暖化防止活動推進センター
県北デスク 五十嵐洋 |
|