平成21年11月7日、由利本荘市・本荘マリーナそばの松林で、由利地域振興局・東北森林管理局由利森林管理署・由利本荘市などの主催により、「森林健全化ボランティア作業」が行われました。昨年秋から、この取り組みが行われ、今年の春の作業に引き続き、今回は3回目の開催です。この日は市民・ボランティア団体・森林ボランティア等、約150名が参加しました。
「松林健全化ボランティア作業」は、落ち葉などにより肥沃化してしまったクロマツ林の林床を整備して、美しい日本の原風景である白砂青松を回復させる目的で行っています。一般的には、栄養豊富な土は植物の成長を助け、必要なものとされますが、こちらのような松林の場合は、落ち葉などによって栄養過多になり、松にとって好ましくない状態だそうです。
開会式では、由利地域振興局農林部・篠田部長より「先人の努力により作りあげた『白砂青松』といった美しい風景が失われようとしている。皆様のご協力をいただきながら良好な環境にして、地域住民の憩いの場となる元気な松林にしていきたい」とのあいさつがありました。その後、作業の説明を受け、参加者達は暖かな日差しの中、汗を流しながら広い松林を熊手やレーキを使い、落ち葉や松葉・雑草を取り除いていきました。
担当者の由利地域振興局森づくり推進課・原田さんによると「昔、落ち葉などは、家庭での煮炊きに使用されていたため、人の手が入り松林は守られていた。現在では、化石燃料等の普及から落ち葉の利用がなくなり、落ち葉が林床に厚く堆積し肥沃な土壌となってしまっている。クロマツはもともとヤセ地を好み、菌根菌と共生している。土壌が肥沃化した林床では、菌根菌が減少し、クロマツにとっては、『メタボ』な状態なのである。
松林を整備するで、クロマツの生育に良好な環境をつくり、菌根菌にとっても良い状況(=キノコの生える松林)になる」とのことでした。この話から、温暖化の原因である化石燃料の使用が影響していることがうかがえました。
閉会式では、緑化推進委員会・桃崎副理事長が「森を守ろうという声を広げていきたい」と述べた後、参加者への感謝の気持ちを伝え、この日の作業を終了しました。
参加者は、新聞紙から作られた土に還る鉢と花の苗がプレゼントされ、きれいになった松林に満足した様子で帰りました。今後は由利本荘市だけでなく、にかほ市でも同様な状態の松林の整備も行います。
この由利本荘市の松林では早くも昨年からの成果が出始め、松林の健全な状態である証の「松露」や、その他にも「キンダケ」や「アミダケ」を見つけることができました。
松林の整備後、集められた枯れ葉などは、地元の西目高校で堆肥化されるなど、循環型社会の形成にも貢献しています。そして、それだけではなく、松林がきれいになったことで、地元の方が、気軽に散歩コースとしてこの松林を歩く姿も見られました。この取り組みを続けることにより、美しい日本の風景が守られ、なおかつ海岸部の風や飛砂を防ぎ、「地域の交流の場所にしたい」というみんなの願いの場所に近付いていると感じました。
そして、現代では、落ち葉などを日常生活で煮炊きに利用することは、ほとんどなく、利用していた時代の生活に戻ることは難しいです。それならば、その時代に戻るのではなく、現代ならではの活用方法をさらに探してみてはどうでしょうか。それを地域住民・企業・学校などから提案して、実現に向けて進んで行ってもらいたいです。それにより、地元ならではの資源が有効活用され、循環型社会がより一層進んでいくのではないかと思っています。
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写真1 未整備の松林
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写真2 開会式の様子 |
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写真3 森づくり推進課・原田班長
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写真4 作業中(1) |
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写真5 作業中(2) |
写真6 大きなキンダケ |
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写真7 旗 |
写真8 整備後きれいになった松林(1) |
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写真9 整備後きれいになった松林(2) |
写真10 プレゼントされた鉢を持つ参加者 |
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写真11 土に還る鉢と花の種 |
写真12 閉会式の様子 |
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秋田県地球温暖化防止活動推進センター由利本荘デスク
宮崎真紀 |
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