平成22年1月24日(日)に、あきたエコマイスター県北協議会の主催で、「第5回ステップアップ講座」が大館市のサンクレア大館(大館地域職業訓練センター)で開催されました。今回の講座には、公開講演会と交流会が設けられ、講師に大館市環境課係長の羽生昇二氏をお招きして、行われました。
(写真1)講師の羽生昇二氏
初めに、講師の羽生昇二氏から「大館市の環境への取り組みについて」と題して、講演が行われました。大館市は、秋田県北部エコタウン計画の対象地区であり、『鉱業・林業・農業』の基幹産業を『環境』・『リサイクル』に転換し、環境に配慮した様々な事業を行っています。具体的には、鉱山関連基盤を活用した「家電リサイクル事業」や「最終処分事業」 などを展開しています。その他、レアメタル確保のための「こでん(使用済み小型電子・電気機器)回収試験」が全国に先駆けて行われており、国(環境省・経済産業省)のモデル事業にも選定されています。さらに、新たな事業として、「(1)資源の有効活用と最終処分場の延命 (2)循環型社会の形成と新規リサイクル事業の創出」を目的に、大館市のクリーンセンター(一般廃棄物処理施設)から排出される溶解スラグ※1を整粒し、建設用骨材として販売する「溶解スラグ製品化事業」の展開を進めています。羽生氏は、これら大館市における環境事業の特徴として、「(1)地元の素材 (2)地元の人材・技術 (3)地元の企業」の3つを挙げ、地元との連携を特に強調されました。そして、講演の最後には、これからのキーワードとして、間伐材など「未利用バイオマス資源の活用」などを挙げ、参加者の興味関心を引いていました。
次に、話題提供として交流会が行われ、野口常介氏(あきたエコマイスター県北協議会会長・秋田県地球温暖化防止活動推進員)と布谷保子氏(あきたエコマイスター県北協議会大館鹿角支部幹事)から、これまでの研究報告や活動報告がありました。
一つ目の話題提供として、野口常介氏から「花粉症に備え、花粉の動きを知ろう」と題して、花粉症を引き起こす「スギの雄花」などの植物の紹介の他、長年の研究による、「花粉症の原因植物の飛散時期」などの報告がありました。こちらでは、冬場を除き、年間を通して様々な種類の花粉が飛散している事などを教えていただきました。また、基準温度(気温)の違いによる「アカマツの花粉飛散予測の例」では、一般的に言われている、「地球温暖化が進むと花粉症の被害が大きくなる※2」との関係性についても、考えさせられる研究内容でした。
二つ目は、布谷保子氏から、「“できる”ことから始める環境問題〜私の事例」と題して、地域での「廃油を使用した石けん作り」や「雑草紙(エコペーパー)作り」の出前講座の様子を報告していただきました。こちらでは、参加した地元の方の、環境に対する意識改革があった事なども挙げられました。また、出前講座で実際に制作した、「小物入れ」や「雑草紙」などの展示もあり、参加者は「不要な物」や「自然の物」からリサイクルされた品とは思えない完成度に、驚いている様子でした。
今回、この講座に参加して、あきたエコマイスター(以下、エコマイ)の地域に密着した、活動報告を聞く事ができました。また、大館市での取組からは、民と官が一体となり、環境問題に取り組む姿勢が見受けられました。さらに、最近の市民の環境に対する意識では、「大館市の行政通信簿※3」の施策満足度で、「廃棄物対策の推進」や「資源リサイクル産業の振興」が上位にランキングされるなど、世論調査でも環境問題に高い関心が寄せられている事が報告されています。しかし、「新エネ対策事業」など、さらなる普及が望まれている分野もあるので、エコマイの方々と共に、ソーラークッカーなどのツールを含めた、新エネ情報を提供して、県北地区の環境活動活性化に貢献していきたいと思いました。
※1 溶解スラグ…ゴミ焼却後の灰を、さらに熱処理して加工したガラス状の物質。
※2 米農業省が「花粉症の悪化は地球温暖化が原因」という研究結果を発表。
(参考:www.lifenavi.info/ondanka/index.html)
※3 (参考:大館新報)
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秋田県地球温暖化防止活動推進センター
県北デスク 津嶋麻由子 |
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