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トピックス
*「秋田エコプラッシュ株式会社」の視察研修が行われました。

2009/10/01


 平成21年10月5日(月)に、東北で初めての自治体が整備した、小坂町にある菜の花の種を搾油する施設((株)エコサカ 代表=小舘貞夫さん)を見学しました。こちらの施設は昨年1月に完成し、日本の滝百選にも選ばれている「七滝」から100メートルほどの所にあります。

 小坂町は、平成17年2月に「小坂町バイオマスタウン構想」を公表し、国から県内の市町村で唯一「バイオマスタウン」の認定を受けました。構想の柱として「菜の花利活用の循環フロー」があり、
「(1)休耕田への菜の花の作付け (2)収穫した菜種の搾油・精製 (3)菜種油の商品化・販売 (4)菜種油の家庭での消費 (5)廃食油の回収・BDF化 (6)農耕用機械へのBDF使用」
を通し、資源循環型社会の構築を目指しております。(株)エコサカさんでは、このシステムの中でも重要な役割を占める菜種の搾油を担い、食用油として製品化・販売しています。また、使用済みの食用油の回収を進め、BDF(バイオディーゼル燃料)の精製にも取り組んでいます。

 初めに、搾油担当取締役の亀田郷平さんから、「菜の花事業」の環境へのメリットを説明していただきました。一つ目は、休耕田等を活用して菜の花を作付けする事は、地球温暖化の元となるCO2の吸収にも繋がるという事です。特に昨今は、環境問題に意識が高まり、地域に密着した社会貢献事業(菜の花事業)に、県内のほとんどの市町村が取り組んでいるとも教えて下さいました。実際、平成20年の鹿角地区の転作面積は約1,510fで、十和田湖の約10%にも及ぶとの事で、地元農家への大きな広がりを見せていました。そして二つ目は、BDFが農耕用機械にとどまらず、小坂町の公用車などにも使用されているという事です。BDFの使用は、カーボンニュートラルによりCO2の排出量に増減がないため、環境負荷が少ない取り組みとして注目されています。
 次に、香ばしい香りが立ち込める工場内で、作業工程などのお話を伺いました。それによると、こちらで使用している菜種は、遺伝子組み換えをしていない100%国産の「キザキノナタネ」で、県内のみならず青森県黒石市の業者などからも委託を受け、製品化しているとの事でした。作業工程は大きく6つに分かれ、 (1)焙煎 (2)搾油 (3)精油 (4)加熱 (5)貯蔵 (6)充填・打栓 の流れになります。各工程にはこだわりがあり、その中の搾油では、薬品を使う抽出法は避け、圧力をかけて搾る昔ながらの圧搾法を取り入れています。また、一番搾り(一回だけの搾油)のみを食用油として製品化するなど、無添加・無漂白の製品に自信を覗かせておりました。

≪搾油工程≫
(1)焙煎(焙煎釜)…香ばしい香りを出すために、70℃〜85℃にもなる釜で焙煎します。
(2)搾油(搾油機)…菜種粕などが発生します。
(3)精油(精油機)…旨味やミネラルを生かすために添加物を使わない精油法です。
(4)加熱(加熱タンク)…高温(135℃〜150℃)で加熱処理されます。
(5)貯蔵(製品タンク)…べとつき感がなく、サラサラとした油が貯蔵されています。
(6)充填・打栓…菜種本来の美しい色を重視してもらえるよう、余計なラベルは貼りません。


 亀田さんによると、昨年の小坂町農家からの菜種の持込み実績は約17tとの事で、30%が油として精油され、70%は「菜種粕」や「残渣」として残るそうです。しかし、「菜種粕」は畑にまいて有機肥料として使用され、「残渣」は栄養価の高い魚の餌として活用されています。さらに今後は、「菜種粕」を農家などが、使用しやすいようペレット化し、JAなどで有機肥料として販売する計画もあるそうです。また、繰り返し使用できる「エコボトル」(※1LCAの評価結果でもCO2排出量を減らせるとされている)を検討中で、Reuse(再使用による排出抑制)によるゴミ減量にも力を入れており、早い商品化と普及が期待されます。

※1LCA(Life Cycle Assessment)とは、その製品に関する資源の採取から製造、使用、廃棄、輸送など全ての段階を通して環境影響をトータルで算出する手法です。また、環境負荷の少ない製品を開発するためや、消費者が環境に優しい製品を選ぶ目安にするため、ISOで国際規格化されています。

今回の取材では、一連の「菜の花事業」が地域の活性化にも繋がっている事が分かりました。また、現状に満足する事なく「エコボトル」などの考案を通して、環境問題に配慮している点にとても感動しました。そして、こうした企業努力を無駄にしない様、CSR活動に積極的な企業に投資するという感覚で、「環境に良い物」を購入していかなくてはと改めて思いました。(推進員研修・山本敏晴先生より)

写真1 七滝
写真2 搾油工場外観
写真1 七滝
写真2 搾油工場外観
   
写真3 右がにはほ市産・左が八峰町産
写真4 菜々の油
写真3 右がにはほ市産・左が八峰町産
写真4 菜々の油
   
写真5 エコボトル
写真6 焙煎釜
写真5 エコボトル
写真6 焙煎釜
   
写真7 搾油機
写真8 亀田さん
写真7 搾油機
写真8 亀田さん
   
写真9 ペレット化した菜種油
写真10 ポリバケツ
写真9 ペレット化した菜種油
写真10 ポリバケツ
写真11 精油機
写真12 加熱タンク
写真11 精油機
写真12 加熱タンク
写真13 充填・打栓作業場
写真14 工場内全体
写真13 充填・打栓作業場
写真14 工場内全体
   
写真15 ハウス
写真15 ハウス
   


  秋田県地球温暖化防止活動推進センター
県北デスク 津嶋麻由子

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