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*「木質バイオマスガス化小型発電システム 〜(有)農産〜」を見学しました。

2010/3/12


 平成22年3月12日(金)に、鹿角市の(有)農産(戸田守代表)で「木質バイオマスガス化小型発電システム」を見学しました。木質バイオマスガス化小型発電システムとは、木質バイオマス(間伐材など)を熱分解により燃料用ガスに変換し発電するシステムで、小型発電設備の場合、一般的には、ガス化した方が木質のまま燃焼させる方法より、効率的に電力へ変換できるとされています。また、木質バイオマスの利活用は、CO2の排出量がゼロに換算されるため(カーボンニュートラル)、地球温暖化を抑制する有効な手段の一つとされています。
写真1 発電システム(前)
写真2 発電システム(後)
写真1 発電システム(前)
写真2 発電システム(後)
   

≪発電システムの流れ≫ 
「残材など(製材端材・建築廃材・間伐材)」→「燃料用供給ホッパー」→「ベルトコンベア」→「ガス化炉(ガス浄化)」→「フロアー」→「タール除去」→「ガス浄化」→「フロアー」→「エレメント」→「発電機」→「電気操作盤」→「発電」
※秋田県立大学の木材高度加工研究所で小型模型を見る事ができます。

写真3 残材置場(燃料用供給ホッパー) 
写真4 ベルトコンベア
写真3 残材置場(燃料用供給ホッパー) 
写真4 ベルトコンベア
   
写真5 ガス化炉…文部科学省からの木工系事業費を活用して設置されました。
写真6 ガス浄化…一酸化炭素ガスを発生させる装置です。
写真5 ガス化炉…文部科学省からの木工系事業費を活用して設置されました。
写真6 ガス浄化…一酸化炭素ガスを発生させる装置です。
   

 「木質バイオマスガス化小型発電システム」導入のきっかけは、廃材の輸送コスト削減の他、以前は能代市まで運んでいた廃材を、自分で処理できないかと考えた事からだそうです。そして、小型発電システムの開発にあたっては、戸田さんの同級生である友人を誘い、約5年の研究開発時間を費やし、二人だけで一から手作りしたそうです。さらに、小型発電システムのメンテナンスを簡素化するためにも、複雑な部品は使用せず、廃ドラム缶などスクラップを活用して作る事を心掛けたそうで、至る所にリサイクルされた部品や機器を見る事が出来ました。
写真7 発電装置…風呂釜をリサイクルして制作されています。
写真7 発電装置…風呂釜をリサイクルして制作されています。
   

  発電システムの性能は、木質バイオマス消費量が一時間あたり40〜50s、熱分解ガス生産量が一分間あたり約1.2N立方メートル※1、発電電力が約20kwになるそうです。また、民間企業(手作りのシステム)としては珍しく「タール除去」に成功し、特許を取得されたそうです。現在、発電された電気は、社内のモーターなどに使用されているそうですが、ゆくゆくは、戸田さんのご子息の会社のコンベア回転で使用したいと、今後の意気込みも語って下さいました。

写真8 木炭…地域貢献という観点からは、発電システム稼働時に排出される木酢(1日に50リットル)や木炭を、地元農家に土壌改良材として提供するなど、地元住民とも密接な係わりがあります。
写真8 木炭…地域貢献という観点からは、発電システム稼働時に排出される木酢(1日に50L)や木炭を、地元農家に土壌改良材として提供するなど、地元住民とも密接な係わりがあります。
   


 最後に戸田さんは、「発電システムの完成は、物作りに情熱を燃やす人が揃ったから」と謙遜されましたが、環境に配慮した取組を一から実行する事は、容易な事ではないと思います。それは、自然エネルギーの普及に伴う、社会基盤が不十分だと思うからです。そのため、温暖化防止センターとしては、こうした環境に配慮する企業や団体が、ますます活動しやすい体制(RPS法※2など)が整えられる事を期待します。

※1 N立方メートル…ガスの単位で、圧力や温度に変化されない実量を管理する目的をもったガス量を表す単位です。
※2 RPS法…2003年4月に施行された「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」の事で、電気事業者に新エネルギー等(風力・太陽光・バイオマスなど)から発電される電気を、一定割合以上利用する事を義務付け、新エネルギー等の一層の普及を図るものです。

  秋田県地球温暖化防止活動推進センター
県北デスク 津嶋麻由子
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