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*「ブナ植樹シンポジウム 〜ブナの種子が危ない?!〜」が開催されました。

2010/6/5


 平成22年6月5日(土)、八峰町白神体験センターで「NPO法人白神ネイチャー協会」と「海と川と空の塾」の主催で、「ブナ植樹シンポジウム 〜ブナの種子が危ない?!〜」が開催されました。今回のシンポジウムは、ブナの植樹活動を行っている団体や白神山地を研究している方々が集い、基調講演や意見交換・ブナ林の散策などが行われました。
写真1 会場の様子
写真1 会場の様子
初めに、弘前大学の赤田辰治准教授から「遺伝子から見た白神山地におけるブナ林の現状」と題して基調講演が行われました。この中で赤田准教授は、白神山地のブナ林の遺伝子解析について、人間と同じように全てのブナの木が異なる遺伝子を持っている事や、必ずしも近くの個体間の遺伝子が遠い個体間よりも似ているとは限らない事を分かりやすく説明して下さいました。
写真2 赤田准教授
写真2 赤田准教授
赤田准教授によると、白神山地のブナは強い他殖性※1が働いていて、盛んに遺伝子交換が行われているとの事でしたが、遺伝子交換を行うブナ林の個体数が減少すると遺伝子の多様性が失われる危険性があるそうです。さらに、温暖化による影響として100年後に平均気温が3℃上昇すると、白神山地はブナの生育適地から外れるだろうと切実に訴え、白神山地の種の保全のための今後の研究課題などが述べられました。
写真3 基調講演の様子(1)
写真3 基調講演の様子(1)
写真4 基調講演の様子(2)
写真4 基調講演の様子(2)
次に、パネルディスカッションとしてコーディネーターに国際教養大学の熊谷嘉隆教授をお招きして、意見交換会が行われました。パネリストは、白神山地で植樹活動を行っているNPOの代表や地元の高校生など4名で、白神山地との関わり(エピソード)を基に、シンポジウム参加者と共に植樹の意義などを議論しました。
写真5 シンポジウムの様子(1)
写真5 シンポジウムの様子(1)
ここでは特に、最年少パネリストである村岡優衣さん(能代北高校1年)に注目が集まりました。村岡さんは小学校1〜6年生の間、白神山地での『緑の少年団』(参考:緑の少年団)の活動を通して、家の蛇口から出る水が森の恵み(産物)である事など、自然に関する様々な事を学んだそうです。また、白神山地を遊び場として雨の日も駆け回った事など、みずみずしい体験談も情感たっぷりに紹介してくれました。そして、村岡さんから将来の夢として「通訳などの仕事を通して、世界の人に白神山地の素晴らしさを伝えたい。」と抱負が述べられると、参加者からエールとして温かい拍手が送られました。この様子を受けて熊谷教授が、「村岡さんのように、自然に関心を持つ若者を育成する事が大人の役目である。」とまとめられ、子ども達に植樹活動などを通して環境教育をする事の重要性などが再確認されました。
写真6 シンポジウムの様子(2)
写真6 シンポジウムの様子(2)
現在、植樹活動は様々な場所で行われ、多くの人が参加していますが、木を植えるという行為だけではなく、「なぜ植樹をするのか?」その背景もきちんと見据えていかなければならないと思いました。そして、それと同時に、今回のパネリストのように自然について教えてくれる熱い大人が身近にいれば、自然や環境に関心を持つ子ども達が増え、豊な自然を守り伝える事が出来るのではないかと思いました。

※1 雌しべに同じ個体の花粉が付いた場合には正常な種子が出来ず、別の個体からの花粉がついた雌しべのみ正常な種子が発達するような生殖様式のこと。

 
秋田県地球温暖化防止活動推進センター
県北デスク・津嶋麻由子

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