「こまちの里」として知られる雄勝町にある雄勝漁業協同組合では、毎年役内川のクリーンアップを行っています。美しい山々に囲まれて一見、きれいな川に見えますが、清掃のために川の中に入ると底にナイロンのゴミや空き缶が引っかかっていることが多々あるそうです。アユの解禁にあわせた、このクリーンアップ活動は啓発効果も狙って、国道や旧道から見える場所で行っているそうです。河川公園となっている700mくらいの流れでの清掃活動ですが、道行く人たちが「川をきれいにしているんだなぁ」と感じてくれたら、と話していました。
雄勝漁協は役内川と雄物川最上流部で、アユ、ウグイ、イワナ、カジカ、ヤマメの5魚種について漁業権の管理を担っています。同漁協では、毎年6月に自前のふ化場で育てた稚魚の放流事業をするほか、地域の小学校の子供たちに、ふ化の一歩前の発眼卵(はつがんらん)と呼ばれる卵を育ててもらい、その稚魚を放流することによって、命を育てることの大切さと育てた命の住む環境への愛情が育つようにと、地域内の秋ノ宮、院内、横堀、湯沢北小学校の4校の総合学習などに協力しています。
また、漁協では今年も8月に、5回目の役内川「夜突き大会」を開催しました。この行事は、流れに入って魚を追いかけ、突くという伝統的漁法の体験と、魚を含めた水生生物の自然観察を目的としています。体験することによって、魚や川の環境に興味を持ってほしいという狙いがあります。童心に返って楽しんでいる様子がホームページでうかがえます。
役内川のきれいな水で育った魚を釣りや食事で皆さんに楽しんでもらいたいという組合長の菊地さん、事務局の沼倉さんのお話で「現在、カジカが住んでいるのは水がきれいだという証拠なので、この環境を維持していきたい。川だけではなく、それを取り巻く山や森の保全も大切。川がきれいなままに保って海に注ぐことができるように、いっそう力を入れて環境保全活動をしていきたい」ということでした。 |