2023/05/08

あきたエコマイスター県央協議会 主催
環境講演会「花と昆虫の共進化」が開催されました

 令和5年4月22日に、あきた森づくり活動サポーター総括所長 菅原徳蔵氏を講師に招き、「花と昆虫の共進化」という演題でご講演いただきました。

 講演では、世界遺産・白神山地の美しい自然・動植物の映像を皮切りに、植物や昆虫たちが4億年以上も前から競争を繰り返し、いかに共進化を遂げたかをさまざま事例をもって紹介していただきました。

講師の菅原氏 

 例えば、早春の花・フクジュソウは、太陽の光を浴びて花弁をひらき、花の内部の温度をあげることで低温に弱い昆虫の活性を助け受粉するそうです。このことから菅原氏はフクジュソウを「暖房付きのレストラン」と表現しています。
 また、高山植物の花がより美しいのは、昆虫による受粉に頼るほかないうえ、過酷な環境に耐えうるようより目立つ(=強い)花へと進化したからとのことでした。

 普段何気なく目にする花々は、数億年以上前からの虫との生存競争のうえに成り立ち、共存するために変化を遂げたものなのです。
 私たちの日常も日々変化しています。さまざまな場面で多様性が求められ、昨今の気候変動への適応も今後の課題のひとつです。「植物の多様性と共進化が、美しい花畑のベースになっている」という菅原氏の言葉は、そのまま私たち人間社会にも通じるものではないかと思わされる講話でした。 

 

講演会の様子