2018/12/21

 地球温暖化対策に関する人材の育成及び活用支援事業の一環として、「地球温暖化対策に関するセミナー」を県内2地域で開催しました。地球温暖化の現状と対策を広く県民に周知するため、今年のテーマは「私たちのくらしと地球環境問題について考えてみよう」と題し、「地球温暖化」と「プラスチックごみによる海洋汚染」について取り上げました。

 開催日・開催会場・参加人数は以下のとおりです。

開催日 開催会場 参加人数
12月 8日(土) 大仙市 史跡の里せんぼく「さくまろ館」 24名
12月16日(日)  由利本荘市 西目公民館「シーガル」  37名

 

 演題と講師は以下のとおりです。

地球温暖化の現状と
  秋田県の現状について
プラスチックごみによる
    海洋汚染について
12月8日(土) 日本気象予報士会東北支部
岩渕 巧氏

あきたエコマイスター県央協議会
川越 政美氏

12月16日(日) 秋田地方気象台
香川 岳宏氏

「地球温暖化の現状と秋田県の現状について」
 地球全体の気候の変化として気候、温室効果、平均気温の変化、IPCCについて、地球温暖化の影響についてお話いただきました。
 東北地方と秋田県の気候の変化について、平均気温や真夏日、真冬日、降雪量などの変化、生物への影響についてグラフや地図を使用しながらわかりやすく説明していただきました。
 また、IPCC第5次評価報告書などのシミュレーションの結果も紹介しながら、世界の気温は上昇していて、これまでにない急激で大きな気候の変化が起きつつある」、「東北地方の気温も上昇していて、その影響が現れ始めている」、「このまま人為的な温室効果ガスの排出が続けば、これまでよりもさらに大きな変化が起こる可能性がある」と話していました。 

 

 

「プラスチックごみによる海洋汚染について」
 ご自身がプラスチックごみに関わるきっかけとなった「あきたエコマイスター県央協議会」の活動も含めながら、海ごみの現状とプラスチックごみについて紹介いただきました。
 海洋ごみの種類は海上や海中を漂流しているもの、海底に沈んでいるもの、海岸に流れ着いたものがあり、これらのごみは海や海岸で直接捨てられたものもあるが、陸上に捨てられたものが雨などで川に入り海に流れ込んだものがほとんどです。ごみの種類は、プラスチックや発泡スチロールなどがほとんどを占め、これらは分解されるまで長い期間がかかり、その量は年間約19万トン、体積は約63万立方メートル(東京ドーム2分の1個分)と説明していただきました。
 プラスチックごみの海洋汚染については魚や鳥が漁網などに引っ掛かり動けなくなったり、漂着ごみにはガラス製品などとがったものや、廃ポリタンクなど中に有害な液体が入っていることもあったり、有害な医療系廃棄物など人の健康に影響を及ぼすものもあり注意が必要と話していました。また、死んだクジラのおなかを開いてみたらプラスチック製品でいっぱいだったということがあったそうです。
 マイクロプラスチックの海洋汚染についてでは、マイクロプラスチックができる仕組み、食物連鎖・人間への影響について、「プラスチックスープの海をなくすためにわしたちがとるべき行動とは」では、3Rに取組みごみを削減すること、プラスチックを使った生活を見直し、プラスチックを使わない生活をしていこうと呼びかけていました。

 

 

 12月2日から12月14日まで、ポーランド・カトヴィツェで、気候変動枠組条約第24回締約国会議(COP24)が開催され、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に基づき、各国の削減に向けた詳細運用ルール策定を目指し、各国間の交渉が進められました。地球温暖化の問題だけではなく、今回、お話のありましたプラスチックごみなど他にも環境に関する問題があります。「まず、できることから始める」ことが必要ではないかと思いました。

秋田県地球温暖化防止活動推進センター
(NPO法人環境あきた県民フォーラム)
事務局 石塚、後藤