2017/11/08

視察見学1を行いました

 推進員等のスキルアップの一環として、平成29年11月8日(水)株式会社ナチュラルエナジージャパン秋田バイオガス発電所(以下、「秋田バイオガス発電所」とする)を見学しました。この視察見学は地球温暖化防止活動の参考となる地域の環境保全活動や環境関連施設等の視察見学として行ったものです。参加者は36名でした。

 秋田バイオガス発電所は、食品循環資源の再生利用および天候や時間帯に左右されない安定的な地域電源の供給を目指したメタン発酵ガス化バイオマス発電所です。現在多くが焼却処理されている事業系の食品廃棄物を収集し、メタン発酵させ発生したバイオガスで発電を行い、年間発電量は約523万kWhで再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)により電力会社へ売電する計画です。この事業所は平成27年7月から稼働を始めました。

 芦名代表取締役より設備について説明がありました。廃棄物は事業系一般廃棄物、産業廃棄物があり、この発電所では一般事業系廃棄物は業者に依頼して秋田市内から収集、産業廃棄物は県内・県外の食品製造加工会社から産廃として受け入れています。生ごみは発酵の終わった発酵液と混ぜてどろどろの液体にして発酵槽に送り、18日間撹拌しメタンガスを発生させます。発生したガスは不純物を除去してからガスホルダに蓄えられます。このガスホルダに蓄えられたバイオガスでガスエンジンを動かし発電します。ガスエンジンは365kWの発電能力のものが2基あり、合計730kWの発電能力があります。50tの生ごみが入ってくると24時間、365日稼働することになりますが現在は約5t/日の処理量とのことでした。発酵の終わった液体の半分は発酵のため戻すので半分が残ります。残った発酵液は、水処理をして泥は農家に引き取ってもらい2年かけて堆肥にします。水は濾過し下水に流します。生ごみを扱うのでどうしても臭気が出るので脱臭塔を通して排出しています。

 質疑応答では、発酵のために発酵液を使用しているのか、どこからのごみが多いのか、メタンガスの安全性はどうなのかなどの質問に芦名代表取締役が丁寧に回答していました。この他にもいろいろな質問がありましたが、見学時間のことも有り質疑応答を切上げ、設備の見学に向かいました。

 見学は、ほぼ説明の順番通りに行いました。ごみの受け入れの前ではちょうどトラックがごみを運んで来ました。受入施設ではトラックが来るとドアが開き、トラックが中に入るとドアは閉じました。生ごみの投入口にも蓋が付いています。ガスホルダでは、メタンガスが入った袋が膨らんでいました。ガスホルダの中に入り袋を触ったり、奥に入りガスホルダの中がどうなっているのか確認したりしました。

 参加者からは「食品残渣を使うということで匂いが気になっていたがそれほどではなく驚いた、ごみの減量化により焼却施設への負担が軽減され税金の節約にもつながるのでは、乾燥汚泥が有効活用(堆肥)されることなど循環資源のことを考えるとこのようなプラントが増えて欲しい、1日50t処理できるという割にはコンパクトな施設だった、説明や質問に対する回答が丁寧でわかりやすかった」など感想がありました。

 現在、食料残が多く発生しており、今回見学した秋田バイオガス発電所は食料残渣を有効に活用方法になると考えられますが、同時に食料残渣そのものを減らすことも必要なことではないか今回の見学で感じました。

環境あきた県民フォーラム
(秋田県地球温暖化防止活動推進センター)
事務局  石塚 亨 ・ 後藤 菜津美