2017/11/23

地球温暖化に関するセミナーを開催しました

 地球温暖化の現状と対策を広く県民に周知するための普及啓発の一環として地球温暖化に関するセミナーを開催しました。昨年に続き、地球温暖化の現状について、中央太平洋 キリバス共和国の名誉領事であるケンタロ・オノ氏を講師に迎え、地球温暖化の影響についてお話しいただきました。
このセミナーは例年、年1回の開催なのですが、県南と県北地域での開催とし、11月19日(日)横手市ふれあい文化センターかまくら館、11月23日(木)大館市北地区コミュニティセンターで行い、参加者は横手市が58名、大館市では、51名でした。

 講師のケンタロ・オノ氏は宮城県仙台市出身で高校生の時にキリバス共和国に単身留学(1993年)、卒業後も同国に在住して帰化、2011年から日本に在住し、その後、名誉領事となられ、現在は、一般社団法人日本キリバス協会 代表理事に就任しています。
今回のセミナーは、「国がなくなる?! 気候変動・地球温暖化最前線国 キリバス共和国からの報告」との演題でキリバス共和国の気候変動による影響についてお話しいただきました。

 キリバス共和国は、海に囲まれ海と共に暮らし、日本とは明治・大正のころから貿易でのつながりがあり、インフラ整備に日本の企業が係るなど深い関係にあります。国土は海抜が低い小さい島がほとんどを占め、首都のあるタラワも海抜が低く細長い島であり、海面が上昇して陸側に逃げるとすぐに反対側の海岸に出てしましい、逃げる場所がありません。また、飲み水は地下水に頼っているため、海面上昇の影響を受け塩化しており、その影響は特に子供達に出てきて病気になったりする子供が増えているとのことでした。また、食料としている魚も生態系の変化により獲れなくなってきており、台風一つの被害が国家予算の8割にも達しました。気候変動は食料問題、安全保障問題へとつながってきています。気候変動による影響は目の前で起きている事であり「キリバス共和国は世界の最貧国の一つであり、温室効果ガスの排出は世界で2番目に低いが私達が最初にその影響を受けている。コスモ石油からマングローブの植樹の支援を受けているが民間でこういった支援を行っているところは他には思い当たりません。キリバス共和国は日本を頼りにしています。地球温暖化の問題は人間が引き起こしたもので人間が解決するしかありません。人間だからこそ解決できます。今日、皆さんがこのセミナーに興味を持って来ていただいたことに感謝したいと思います。これまでの皆さんの環境を守る活動を続け広めてください。また今日聞いた話しも伝えてください。地球は、子供達から借りたものであり、きれいなまま子供たちに返したいと思います。」と話していました。

    

 参加者からは「キリバスの現状を知りショックを受けました。目の前で既に起こっていることを止めることは無理かもしれないが、進行を遅らせることはできると思います。」「今回の講演を聞いて地球温暖化に興味を持ちました。」「毎日の生活の中で何かできることがあれば実施したいと思います。(食べ物を残さず食べるなど)」「頭では知っていたつもりだったが、実際に話を聞くとリアルな問題であることがひしひしと伝わってきました。」といった感想がありました。

 また、会場には秋田県地球温暖化防止活動推進員やあきたエコマイスターの活動展示コナーを設置し、環境活動への取組み、ダンボールコンポストやEMで生ごみのたい肥の作り方、着物や浴衣・風呂敷・ネクタイ・スカーフ等のリメイク品、松くい虫被害にあった木を炭に生まれ変わらせインテリアとして活用、新聞のチラシを使って作成したコマなどの展示があり、来場者は、展示品を興味深そうに見ていました。

  

  

 地球温暖化に直面している現場からの生の声を聴くことによって普段の暮らしについて考えさせられるものがあったのではないでしょうか。現在行っている行動を引き続き行うこと、そして、地球温暖化防止のために自分ができることについて改めて考え行動につなげていってもらいたいと思います。

 

環境あきた県民フォーラム
(秋田県地球温暖化防止活動推進センター)
事務局 石塚 亨・後藤 菜津美