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ひと言
* 「黒い森」と「白い森」 2006/12/22

平成18年12月 3日(日曜日)白神ぶなっこ教室で行われた『しらかみeネットワーク「ドイツでのグリーン・ツーリズムに学ぶPART・2」南西ドイツ「黒い森」と秋田「白い森」を結ぶ』に参加しました。

[注]「黒い森」=ドイツ南部の「モミやマツ」のうっそうとした林。
「白い森」=白神山地に代表される「ブナ」林。

白神と麓の歴史・文化遺産、郷土料理を活かした「スタディーツアー」を広めたいとして開催され、参考にドイツ南西地区の「黒い森(シュバルツバルト)」で活躍しているフリージャーナリスト・池田憲昭さんの講演、白神に魅了されている3名と伊勢堂岱遺跡担当1名のツアー関連の紹介がありました。

内容は以下のとおり↓

● 開会あいさつ 秋田県山本地域振興局 総務企画部・地域振興監(元気づくりマネージャー)大野芳雄さん

● 講 演 「南西ドイツの文化を生かしたスタディーツアー」
講師:フリージャーナリスト 池田憲昭さん
池田さんが活躍している場所はドイツ南西の一角。ツバイテーラーランドとオーバーシュバーベンを中心に南北160km、東西30から50kmの6自治体を1つにして00年から観光事業を共同運営。
 テーマ “我々の住む世界と資源は子供たちから借りているだけ”
・全体の運営上注意事項
  環境の負荷を抑える。
  地域の自然、文化遺産を体験させる。
文化景観・農耕景観=農業と観光が一体
  地域住民の意見を大切にする。

・ドイツでは100haなければ専業酪農家は出来ない。
  酪農家の販売先 →地元の化工場へ
→地元のレストランへ
直売より付加価値が上がる


・水車を復活。役場から借り受け見学料150円/一人徴収。
 年金者が管理・運営。電動ポンプとの比較ができる。
・地域の一軒一軒の情報をパンフレットにした。
 これがきっかけで近くにいても知らなかった近所のことが分かったり、近所付合いがさらに深まった。
・ドイツで一人の年間移動距離は平均2万km。(日本は1万/km)
 道路整備が行き届いているため秋田県内程度は日帰りコースになっている。
・子供専用のプログラムがある。土・日、夜に公共交通を使ったツアーがある。

<オーバーシュバーベンの例>
 45自治体 119千人  107人/Km2と人口密度が低い。
・地域で 考案 決定 実施 自己査定 を実施(ボトムアップ)。
・地域とのパートナーシップ。女性が50%以上が条件。
・会計年度は数年型(6〜8年が多い)
・プログラムの多面的、持続的効果、補完性(整合性)の原理。
 (EU+地域で助成している)
・行政は事後請求も受け付ける。

<発掘現場の観光事業の例>
・現場に日々変化をもたせて、リピーターを増やしている。

※引用 植芝盛平(合気道家) 「私が明日死ぬとしたら木を植える」(数十年後の大木を夢みて。)

● ディスカッション「文化遺産としての白神山地」
1)白神藤里の食文化を生かす 小坂珠実:白神山地きみまち舎代表
・ニセアカシアの花=てんぷらにすると美味しい。外来植物だが役立っている。
・白神酵母を生かして 米粉1/2、市販粉1/2で白神酵母を使いパンを焼いた。
・藤里食マップを生かして 比内鳥、まいたけ、地元の水でアレンジ。
・九州からネットで応募した6人の団体を案内した。岳岱、留山、森のかぞく(宿舎)、里山、八森海岸を案内し、好評だった。

2)伊勢堂岱遺跡と地域 榎本剛治:北秋田市教育委員会
1、米代川とその支流における縄文遺跡
・支流との合流点に立地する大規模遺跡
  石器時代→縄文(1万2千年前〜2千5百年前まで)→弥生時代に縄文土器は大きな発達を遂げたこと、
   「煮」ることが出来るようになって食生活が大幅に広がったこと、そして「漆」を使用するようになった。
・四つの環状列石は遺跡の北西に集中→白神山地を含む北の山何を意識した。
・伊勢堂岱遺跡→20万m2
2、伊勢堂岱遺跡と白神山地
・縄文人と山のかかわり
遺跡の周りにはリスやカモシカが遊び、下の川ではサケの遡上があった。遺跡の大きな石は小猿部川から運んだらしく、すべて川に関連している。
3、現代に生きる伊勢堂岱遺跡
・ボランティアの取り組みが重要な位置を占める。
・研究の対象だけでなく、地域のシンボルといえる。北秋田市の文化財巡りでは、阿仁に整備された棚田(藤里・横倉棚田)、素波里にも遺跡があった。
※遺跡を観光に利用したいが、国や県の許可がとりにくい。

3)白神エコミュージアムツアー 桜庭 徹 :サクラバ設計代表
 エコミュージアムとは、1970年代フランスで始まったもの。ミュージアムは、地域全体と考えるそうです。
<フランスのエコミュージアム>
・一軒の農家が博物館になっている。オオカミに触れる。古い農具が展示されている。
・藤里でも素波里ダム、七座山、営林署、森のかぞくなどの連鎖。

4)白神山地の本物を発信するということ
白神の芸術とマタギたちの世界からー江川正幸:自然生態写真家(青森公立大学非常勤講師)【地域(白神山地)自然現象方法論】

・森と川と海をつなぐエコツアー
・本物のマタギ“工藤 成元(しげもと)”氏に会う。
・秋田白神北側の深山五葉松に「松枯れ」が見られた。
 400本前後の中の40本前後。松くい虫かどうか原因は不明。
・自然の生態系を無視した工事は絶対にやめて欲しい。
 工事の際は必要最低限の掘削・埋め戻しに留めて欲しい。

その資源や環境は十分であること、藤里・鷹巣・二ツ井・峰浜・八森(能代・八森)を有機的に結び、世界に誇れる「スタディーツアー」を企画して欲しいと願って帰りました。(あきたエコマイスター大場恵二)



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