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ACCCA 秋田県地球温暖化防止活動推進センター

 

ひと言
* 今年も下浜植林祭に参加しました 2007/6/14

カシワくん

昨年来、宮脇昭元横浜国立大学教授をお招きして、広葉樹主体の海岸林に切り替えましたが、昨年植樹した「カシワ」「ケヤキ」「クロマツ」などの活着状況はよく、多くは成功していると見られました。

今年もJR東日本とイオン財団共催による秋田市下浜海岸林再生植樹祭がおこなわれました。今年のメインは、なんといってもノーベル平和賞受賞のワンガリ・マータイさんの参加を得ての開催です。彼女は「マツ枯れはじめ多くの樹が枯れることは、温暖化のためであり、環境への意識を高めなければ地球上の人類は生きていくことはできない。」という趣旨のことを述べられました。

秋田市下浜海岸林の植林は、今年で3回目ですが、前年700人から今年は1300人もの参加があったといいます。スタッフも入れるともっと多い人数となるのでしょう。一昨年はマツ林の復活でしたが、昨年からはマツ純林ではなく広葉樹林による復活に切り替えました。そして今年は私どもが主張する「カシワ」を主木とし、その他「クロマツ」ほか、「ケヤキ」「ヤマモミジ」などの広葉樹の混交割合を大きくした樹種構成になりました。これまで2箇所と今回の場所を、これからの長い年月でどのように変化していくのか観察するのは楽しみです。

今回準備された一万本の苗木は瞬く間に植林されました。これまで集まった人々を見るにつけ、秋田県ではいかにこうした機会が薄く、県民がボランティアな活動機会に飢えていた環境にあったかを感じました。苗木の調達はお金の問題で解決しますが、人の集まり具合が一番の課題でした。今回のようなボランティアの呼びかけがあれば、植林に関しては、県民の関心が相当に高いことが判明しました。
緑の復活は人海戦術が成功すれば、60%は成功したもののように感じます。もちろん、それまでの苗木調達やPRそれに植林地の「地ならし」など準備は必要です。

5年計画といいますから「あと2年間でこれらの団体に依存しない秋田の市民レベルの植林活動を創出できるだろうか」と考えるのは私一人ではないと思います。秋田県では市民が参加できるボランティアな参加を得て、広葉樹主体の海岸林の復活を検討しております。急ぐべきことと考えております。

秋田県のマツ枯れも一時ほどの被害林もなくまずは小康状態です。一部にはマツ枯れは「もう忘れてしまった」などとうそぶく方もおられます。しかし、関西以南では再び標高の高いところのマツに被害が及んでおります。温暖化によるカミキリ生息域が拡大しているのではないかと考えられております。高緯度地域でも依然内在した材内センチュウは増殖しており、機会を狙っているはずです。山形県では依然内陸部でマツ枯れがあります。マツノマダラカミキリやマツノザイセンチュウの実態が広まっていないせいか、県南の由利本荘市、にかほ市では、海岸林を再びクロマツ林で復活です。マツ枯れの危険はあるのですが、あえてクロマツ林にこだわることには、抵抗性のマツも試験植林しておりますが、行政や民間の植林は、やや説明不足の感は否めません。

世界的にも広葉樹の重要性が認められ、先進国でも、あえて成長の遅い広葉樹で自然の復活を求めております。「どんぐり」があって、動植物も混生し「ゆたかな森」の自然体系というのは、秋田県であれば、落葉広葉樹林です。こだわりすぎのマツ純林の再植樹はコストの大幅な増大となって市民に還元されます。合併特別交付税でまだ潤っているからそれで賄えるという近視眼的な行政ではなりません。

広葉樹の森は多くの生物多様性を包含します。マツやスギなどの針葉樹の純林などは各種の虫害や気象害に襲われやすいことは多くの研究者の認めるところです。こうしたことを含め施行者はリスク対策として一般的には、針広混交林化や広葉樹の混交林をめざしております。このことは国や自治体もその後の財政措置の負担増から逃れることが出来ますから、一挙両得とでもいえることです。

子供たちが広葉樹の林内を訪れると、おのずからそこで経験する多くを通じて自然科学を身に付けることができます。高学歴に至ったときや大人になった時の、ものの見方や研究姿勢に大きく影響していることがわかっております。教育改革の原点というものかもしれません。この意味で秋田県は、国をはじめ多くの首都圏から赴任者が、幼少期を両親とともに過ごした時期が、その後の子供の成長にあわせ転出後に「心に豊かさを残している」と多くの方からいわれます。

大人になって過去を振り返り、定年後になってはじめて知ることなのです。幸い秋田県の教育水準は、中小課程の水準では他県に比べ低いものではありませんから、積極的にこの豊かさこそ「売り」であることを認識すべきです。もっとも単身赴任では話が別ですが、秋田県が子供の単身も引き受けるなどという構想でもあれば、また別の展開になるだろうと思います。秋田の戦略は「他県のまねのできない自然」が「売り」ということが大切です。農業と林業を自然の中で上手に利用しながら、いかに県土を発展させて行くかは、とかく東京をまねた都市化を構想しなくても、県土と海外などグローバルな見地から見直せば十分豊かな県経済を賄うことが出きます。「北東アジアの経済協力の研究」はノースアジア大学千葉康弘教授の理論です。この応用編は県経営の戦略性という点なのでしょうか。

林務行政であれば、公共財である保安林の保全がまず第一ですが、民有林内のスギ間伐整備も県外需要を取り込める人材と支援策さえあれば容易に解決し、本県の林業経営は成り立ちます。根本は関連情報の収集とその選択・その後の構築化です。さまざまな商才ある人材は、年齢を問わず、県内外あるいは海外に求めればよいはずです。昔の林業者は高齢化しておりますが、多くは、山を見て直ちに石高を評価できます。また立木の品質もたちどころに経験から判別します。供給側の人材は豊富なのです。買い手は海外を含め大勢おります。その中間がないだけなのです。原木高の製品安は秋田県のあいことばのようでしたが、いよいよ時機到来です。しかし昔のように製材所での賃引きではありません。含水率の制限下の品質管理です。ここは県内技術の出番です。そのための支援のための県の財政支出なら県民も議会でも歓迎されることと思います。県民負担の新税の話はもっとあとでいいはずですが。

今回の参加者のなかにはこれまで多くの子供たちが参加しました。また今回は中学校や高校生も参加しました。好天のもと、海外の人々とともに植林をとおして良い汗をかいたことは、人生の中でも決して忘れえぬ出来事となって40年後50年後にも引き継がれることを願っております。

植林される苗木   下浜植林予定地(写真左側斜面)
植林される苗木   下浜植林予定地(写真左側斜面)

今年は1300名で1万本の植樹なのでたちまち植林が完了してしまう   植林には今回は中学生や高校生も多い
今年は1300名で1万本の植樹なのでたちまち植林が完了してしまう   植林には今回は中学生や高校生も多い

マータイさんの挨拶
   
マータイさんの挨拶    


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