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ACCCA 秋田県地球温暖化防止活動推進センター

 

ひと言
* 炭化事業の意義について 2007/10/09

カシワくん

「炭やきで夕日の松原まもり隊」の設立は、森林県である秋田県にとって大変有意義なものと考えております。
森林環境を維持するためには、森林の健全性を維持するための循環の系をいかに創るかです。
これまで試験的に行ってきた炭焼事業を、マツ枯れ被害木等の材をいかに活用し、県民環境に役立てていくかといった視点で取組もうとするものです。
加えて炭化することは、地球温暖化対策としても、炭化することでCO2を炭として閉じ込めることであり、環境的にも重要なことです。
海岸マツ林は、植林から30年以上たってきますと防風・砂防林であっても間伐が必要です。
これが財政的な理由でおくれマツ枯れを助長しております。
また、拡大造林事業をおこなった時代のスギ材も、一回転もしないで市場経済化のなかで挫折し、しかも同様の理由で間伐が遅れております。
つまり、森林が市場経済のために弱る方向に向かっていることです。
そして、これまで建築材利用のできないものへの対策に、なかなか踏み出せないでおりました。
そのひとつが材の炭化処理事業です。
薪炭事業は、日本が戦前戦後を通じ石油エネルギーに大きく依存するまで、森林の材の循環に大きく貢献しておりました。適度な広葉樹の間伐・除伐は20〜30年のサイクルで薪炭を生産することで、広葉樹は再び萌芽し、山の秩序が回復し維持されておりました。
したがって、カシノナガキクイムシなど虫害による枯れは目立たなかったと考えられております。
また、森林を生活の一部として山菜や菌類を大切にした生活環のなかにありました。
今日こうしたことが生活様式の変化により、深刻な森林(山)の荒廃となっております。
マツ枯れも同様です。つまり、マツ林のきのこ採りや松葉掻きなどが生活環のなかから脱落してしまった結果です。
今回の炭焼き事業は、こういったズタズタとなった環をすこしでも修復する一助となるものであり、歓迎すべきことと思います。
ただ、炭といっても用途によって種類が異なるようです。
冷蔵庫の中の活性炭は再生は、かなり難しいのですが、木材の炭は使用後乾燥させて再度使用可能といわれます。
炭材も炭成分や構造の違いでも用途も異なってくるようです。
最近、八郎湖におけるスギ材炭化による濾過試験では、軟炭のため水が黒色となるといわれます。
しかし、スギ材を圧縮して堅木として炭にすると立派な白炭となり、その欠点を克服できるとする研究があります。
またマツ枯れ対策として、林床に炭をすき込むことで酸性雨を中和させ、菌根菌を保護するなどが有効ともいわれております。
特に竹炭成分が、マツの菌根菌が必要とするミネラル分が多く、マツの健全化に良いという見解もあります。
農業分野では、炭パワーによる土壌改良や根系の強化剤として炭を活用することが一般化しております。
今回のマツ枯れ材といっても、枯れ始めたばかりの材ですから、いわゆる「秋田方式」で選別されたマツ材であり、炭化しても火力は相当強いものと考えられます。
この辺から別の用途も考えられます。秋田県の森林環境改善方法のひとつとして炭焼奨励により、中山間地の活性化や、県内の里山復活それに海岸林のマツ林の維持のためにも、大変良い道筋が出来たといってよいでしょう。



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