2021/12/17

 地球温暖化防止に関する専門的な学習を希望する秋田県地球温暖化防止活動推進員(以下、「推進員」とする)やあきたエコマイスター(以下、「エコマイスター」とする)、地球温暖化防止活動に関心のある一般県民を対象として、エキスパート研修会を開催しました。
 開催日、開催地及び参加人数は以下のとおりです。

開催日 会 場 参加人数
11月 9日(火) 大仙市 仙北ふれあい文化センター 11名
11月17日(水) 秋田市 ゆとり生活創造センター遊学舎 12名
12月 9日(木) 由利本荘市 西目公民館シーガル 14名

 開催内容等は以下のとおりです。

◎アーバン・マインに関する最近の情報
  講師:環境カウンセラー
      山口 潔實(やまぐち きよみ) 氏

講師の山口先生(秋田会場)

○金属について
 鉱山・都市鉱山の分類や資源の定義などに関する説明から始まり、銅は電気伝導度が高く、安価であるため多くのものに使用されているとし、採掘・製錬の工程や資源・価格の動きなどについて解説した。また、アルミニウムの歴史や製造過程などについても説明があった。さらに、金属の可採年数や、新しい資源を求めて行っている海底の鉱石の引き上げについても解説があり、会場でも実際に鉱石を展示していた。

○有効な資源量と製造時のエネルギーについて
 10円玉硬貨を例に挙げ、硬貨1枚(約4.4g)の製造に必要な鉱石の量は約836gであり、その際に発生する廃棄物の量は約893gにも及ぶと説明し、大量の資源を掘り出しているとした。また、金属をスクラップから再製造(リサイクル)すると、鉱石から新しく製造するときよりエネルギー使用量が減少するため、リサイクル品の使用が省エネにつながるとした。

○リサイクルについて
 家電リサイクル法の設立や概要に関する説明があり、家電の再商品化の台数やその基準の見直し、素材別の構成比率などについてグラフを用いて解説した。また、冷蔵庫やエアコンなどの家電のフロン回収量についても説明があった。続いて、違法な不用品回収業者やリサイクルの流れについて解説し、リサイクルは正規のルートで行うよう呼びかけた。携帯電話1台に使用される金属やその環境負荷評価などについても説明があり、こちらも会場で実際に携帯電話やパソコンの部品などを展示していた。そのほかに、株式会社エコリサイクルの取組みや大館市のこでん回収などについても解説し、「混ぜればごみ、分ければ資源」という言葉でまとめた。

会場の様子(秋田会場)


鉱石と部品の展示の様子(大仙会場)


鉱石と部品の展示の様子(由利本荘会場)

 現在、地球温暖化防止のための省エネルギーへの取組みが重要視されている中で、エネルギー使用量の減少につながるアーバンマインの重要性は、今後も高まっていくと考えられます。「混ぜればごみ、分ければ資源」という言葉を念頭に、正規のルートでのリサイクルやリサイクル品の使用などを心がけていただければ幸いです。

環境あきた県民フォーラム